第三話【修行開始!】

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「頭ガチガチの理系男子が、覚醒して宇宙の真理を悟り、ヒーラーになった話」

 

第三話 「修行開始!」

【前回のあらすじ】

大自然の中で生まれ育ち繊細な感性が育まれていった僕。

しかし成長するにあたって生き辛さを感じるようになる。

高校1年生に課外授業で訪れた老人ホームで謎のご婦人からお告げを受けるも、何のことかよくわからず。。

高校2年生の時に宇宙の真理が知りたいと謎のやる気スイッチが入って猛勉強。

大学に進学することとなる。

【第三話 修行開始!】

2004年、春、大学進学と同時に、それは一人暮らしのスタートでもありました。

引っ越しの後、実家に帰っていく両親を見送り、少し寂しさを感じつつも、これから新しい学び、新しい出会いが待っていることのわくわく感、希望、1人暮らしの解放感を感じていました。

実際大学生活がスタートすると新しい出会いや、多くの学びがあり、学べるのが楽しくてとても充実感にあふれていました。

ちょうどケツメイシのさくらという歌が流行っていて、あの歌を聞くと大学生一年生の時のわくわく感を今でも思い出します。

大学では学びによる自分の成長が第一の優先度であったため、サークルなどには入らず、講義が終わった後も図書館に行って独学を進めていました。

無機化学、熱力学、量子力学、有機化学、化学工学、光化学、生化学、高分子化学などを学び、これまで先人たちが発見してきた法則や数式を学んでいきました。中でも有機化学がとても好きでパズルを解くような感覚で反応機構を考えたり考察するのが好きでした。

僕は高校生のころから本を読むのが好きだったので、一人暮らしを始めるとすぐに古本屋さんに出かけて行って興味のある本を物色し始めました。

僕は自分の能力を高めることと、専門の科学だけではなく、他の分野からも何か学べる不変の真理はないかと思い、経済学や哲学などの幅広い知識を得ることにも非常に興味を持っていました。

速読に関する本や哲学、経済学、仏教、宇宙に関する本、自己啓発本を主に買って読みはじめました。

そんな中、超能力の開発に関する古い本を見つけたのです。

僕はさっそくそれを買って自宅で試してみることにしました。

その本には呼吸法や様々な瞑想法、眉間や松果体に集中し開発していく方法が書かれていました。

僕はそれを大学が終わってアパートに帰ってきた後や寝る前に、試すようになっていきました。

呼吸法は息をながーく吐いて、息を止め、ながーく吸って、また息を止めるというのを繰り返すものでした。

各プロセスで30秒が望ましいと書いてあったので、それは非常に息苦しいものでした。

少し酸欠気味で頭がぼーっとしてきます。

僕は何かに興味を持つとそれを集中的に行う習性があるので、普段生活している中でも、できるだけその呼吸法で過ごすようにしていました。

さすがに各30秒はきつかったので、5~10秒くらいで。

また瞑想法ではろうそくの炎の光をじっと見て、目を閉じた後にその残影を見続けるというものでした。

これらを継続することは地味に大変でしたが、好奇心から継続していました。

すると瞼の裏に何かもやもやした緑や白のイメージが見えるようになっていきました。

慣れてくるとそれは様々な動きをしてダイナミックな動きをするようになりました。

するとある日、寝る前のうとうとしている時に鮮明なイメージが浮かぶようになったのです。

寝落ちしそうになる寸前のところで、瞼の裏がもやもやとしてきて、テレビの砂嵐のような模様が現れます。

その後、その砂あらしの幕がカーテンのようにひらけて、綺麗な模様の曼荼羅や星空が見えてくるようになってきました。

それは鮮明でものすごくきれいでした。

また曼荼羅や星空ではなく、ビルや人の時もありました。

また本の中で手のオーラを見るという章がありぼんやりと手を見ていると、うっすら手の周りに薄い膜のようなものが見えてくるようになりました。

最初は目の錯覚かとも思いましたが、慣れてくると緑色できれいな色が見えてくるようになりました。

こうして僕は、昼間は大学で化学を学び、夕方~夜は日本料理店で調理スタッフとしてアルバイトしつつも、だんだんと自分の第六感の開発が進んできているのを実感していました。

アルバイトしている時も、小鉢の数を数える時に1,2,3,4・・と数えるのではなく、小鉢をいくつかの集合体、図形としてとらえて、瞬時に数えるトレーニングをしていました笑

これは速読の右脳開発トレーニングに載っていたもので、右脳を使うと情報処理能力が左脳の比じゃないくらい早いらしいのです。

徐々に慣れてきて、本も数行とかをいっぺんにとらえて、早く読めるようにはなっていました。

もちろん大学の友人には、自己探求をやっていることは言っていませんでした。

一般的に理系の大学に通う学生というのは唯物論者が多く、思考も現実的でオカルティズムなものに対して嫌悪感を抱く傾向にあります。

僕も基本的には現実主義で、テレビなどで、起こる出来事をなんでも霊のせいとか前世のカルマがとか言っているのはなんだかな―と思ってあまり信じていませんでした。

それでも何か目に見えないエネルギーや法則のようなものは存在し、私たちが知らない間にそれは働いている気がしていました。

人間の目が捉えられる電磁波(光)はおおよそ360800nmの領域のみです。

 

可視光線 | 生物分子科学科 | 東邦大学

私たち人間はごくわずかな波長領域のみしか認識できていないのです。

生物の目の網膜にある錐体細胞には色を感じるたんぱく質が存在しています。人間の場合、色を感じるヨドプシンというたんぱく質は3種類です。そのため人間の場合、色は3原色となっています。

ちなみに犬や猫は2原色です。

しかし、鳥類の場合、このたんぱく質が4種類あるため、光の4原色を持っており、人間よりもはるかに色覚に優れています。

おそらく孔雀の羽は、鳥の目から見るともっと美しいに違いありません。

また渡り鳥はかなりの長距離を飛びます。鶴や白鳥で3000キロ、アジサシという鳥に至っては極から極へ移動するため往復80000キロ程度飛ぶようです。

なぜ渡り鳥はグーグルマップもないのに正確に目的地に着くことができるのでしょうか。

それは彼らが磁場を知覚できるからだと言われております。

鳥の目の中にクリプトクロムという青色受容体があり、これが光によって刺激されることで、ラジカルペアが発生し、その電子スピンが地球の磁場の変化に応じて回転することで鳥の視神経へ伝わる信号の流れが変わり、それが磁気を受容できることに繋がっているようなのです。

頭の中にコンパスがあるようなイメージですね。

人間は磁場を見ることができません。

このように人間が五感によって検知できているものは、実はこの世界の極わずかな部分なのかもしれないんですね。

そう考えると唯物論的になり、目に見えないものを拒絶するように、馬鹿にしたり、盲目的に信じないというのは、すごく視野の狭いことなんじゃないかと感じていました。

こうして僕は化学という物質的な学びと自己の開発という精神的な学びを深めていったのです。

 

次回予告

大学に進学して順調に自己探求を進めていった僕。

しかしある日、恐怖の体験をすることになるのです。。。

次回をお楽しみに!

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