「頭ガチガチの理系男子が、覚醒して宇宙の真理を悟り、ヒーラーになった話」
第六話 世界を変えたい
【前回までのあらすじ】
塾講師を始め、水嶋さんの影響を受け始めた僕。これまで自分の中で美徳としていた、自分を犠牲にして人のために尽くすという観念が崩れ始め、自分の人生、楽しく後悔のないようにというマインドが育ち始めようとしていた。
【世界を変えたい】
水嶋さんの影響で、自分軸について考えるようになった僕。
企業で研究職につくか、大学で研究を続けるかのどちらかの道に進もうと考えていたため、大学院に進学することにしました。
大学院に進学してからは研究が多忙であったため塾をやめることになりましたが、水嶋さんとはいつも連絡を取っていて、夜にオンラインゲームなどで遊びながら最近の出来事や恋愛話に花を咲かせていました。
大学院の時の研究テーマは、有機化合物を設計、合成し、それに結合するRNAを探索するというものでした。
従来までは薬と言えばもっぱらタンパク質に結合し、リガンドを阻害するなど、タンパク質の働きを変えることによって、薬効が得られるというものでしたが、DNAやRNAに結合する分子というのが盛んに研究され、タンパク質ではなくDNA、RNAをターゲットとして遺伝子レベルで制御することによって、病気を治したり、タンパク質の翻訳をコントロールできるのではないかということで注目を集める分野でした。
昨今のコロナウイルスワクチンで、まさか自分がmRNAを自分の身体に打ち込むなんて夢にも思いませんでしたが。
大学院時代の先生方、先輩、同期、後輩のみんなは非常に優しい人ばかりで、大変有意義で楽しい研究生活を送ることができ大変感謝しています。
ここまで宇宙の真理を知りたいと、高校生の時に思ってから化学の道を進んできて、様々な理論は学んで、それはそれで学びは多くて楽しかったけれども、宇宙の真理というとまだまだ果てしない感じがして、結局、現実的に自分のしたいことって何?と向き合うことになりました。
だって宇宙の我々が認識可能な物質は宇宙全体のたった5%に過ぎず、それ以外は未知のダークマター27%とダークエネルギー68%なんだって言われても、それはわからないからダークと呼ばれているわけで、世界中の超優秀な物理学者が日夜考えてもわからんことなんですし、
こっちは現実的に働いて稼いでいかないとならんわけですし、奨学金だって返さなきゃだし、と思考がかなり現実的な方向に向いてきたわけです。
宇宙の真理を解明してやる!と言っていた勢いはどこへ行ったのか。。。
ただ現実的になって、自分と向き合って導いた答えが【世界を変えたい】ということ。
そのころよく聞いていたアジアンカンフージェネレーションのワールドワールドワールドというアルバムに収録されている【転がる岩、君に朝が降る】という曲
“出来れば世界を僕は塗り変えたい
戦争をなくすような大それたことじゃない
だけどちょっと それもあるよな“
という歌詞にあるように、自分が生まれてきた証を何かしら残したいという思いから、世界を変えたいという所にたどり着いたのです。
大学院生時に、かなり遅めの中二病を発症した僕でしたが、自分の存在によってこの世界が少しでも良くなるならそれも悪くないなと今でも思っています。
そして世界に変えるには、手っ取り早く、これまで得てきた知識を生かし、自分で開発したものを世に出すことだ!と思い立ち、就職活動をすることにしました。
かなり遅めの中二病を発症していたせいか、面接官の方には私が希望・自信に満ち溢れ、研究意欲いっぱいの若者に見えたらしく、多くの内定を頂きました。
そして、その中でも影響力の大きい大企業の化学メーカーに就職することに決めました。
この時の自分の使命は新しいものを世に出して、世の中を豊かにすることだ!と思っていました。
でも今は違います。
「私の使命は何ですか?」という質問がよくありますが、この質問をする方の気持ちは非常によくわかります。
なぜなら僕は自分に自信がなかったから。誰かすごい人に導いてもらえたらすごい楽ですからね。
しかし誰かに決められた使命なんて何の意味があるのでしょうか。
使命を決めているとしたら、それは自分自身で決めてきていると思うのです。
そして使命なんてその都度都合のいいように変えちゃえばいいのです。
さらには使命もしくは夢なんてなくても毎日楽しく生きていればそれでいいと思うのです。
僕は自分が死ぬときの感情のイメージが不意に浮かぶ時があり、それは後悔の念です。
それは過去世のものかもしれませんし、今世の真我からのメッセージかもしれません。
もっと楽しんでおけばよかったなー、何であの時好きなことしなかったんだろう、あの時に戻ってやり直したい!今ならできる気がするのに!という思いがもう死ぬ間際になって出てくるイメージが浮かぶのです。
私たちが経験できる時間というのは常に今だけです。
生まれる時も今、死ぬその瞬間も今、常に今の連続です。
ですのでしたいことをできるのは今しかないのです。
まだまだ未熟者の僕ですが、今満足する というのがこの物理次元を生きる上でのコツかなーと最近思っているところです。
自分のしたいことをやりつくしてもう十分満足!と言って人生を全うするというのが今の僕の目標となっています。
そう考えると他人のことであれこれ考えたり、おせっかいを焼いたり、あーでもないこーでもないと批判したりするのはすごく時間がもったいない気がしてきますよね。
自分に集中して、人生楽しんだもの勝ち!かもしれないですね。
【次回予告】
化学メーカーへの就職が決まり新規一転、新天地に向かう僕。
この土地での社会生活が今後の人生を大きく運命づけることになる。。。
コメント